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執筆者の写真虚言の城の住人

所感 / 皆瀬役 T.U

 こんにちは。第65回辛夷祭3年H組演劇「虚言の城の王子」の皆瀬を演じます、T.Uです。本作は比較的抽象的な作品になっています。観劇した上で生まれる複雑で多様な思いを個々に楽しんでいただけたら幸いです。皆瀬に限った話になってしまいますが、皆瀬の目の前の現実と葛藤しだんだん壊れていく様に注目していただけると嬉しいです。

 さて、あまり劇の内容にに触れすぎてしまうとネタバレになってしまいますので、ここからは自分の一人の高校三年生としての思いを綴っていきたいと思います。淡々と自分の思うことを書いているだけで、長くなってしまうので、途中で飽きたら読むのをやめてもらって構いません。


 私は今一人の18歳の男子です。この原稿を書いている日までの計算では、今日で6712日目の1日を生きています。長い人だと110年以上生きる今の時代、年数で見てみれば大したことない私の人生も、日数で見てみるととても長い間生きていたことが実感できます。この長い間、自分は何を得たのでしょうか。自分の中に「自分」を確立することができたのでしょうか。

 私は人生の目標は「自分」を確立するところにあると思っています。この「自分」を確立するということは、量産型の意識高い系の学生、起業家、芸能人がよく行っているような薄っぺらい自分探しとは違います。例えば、自分探しの旅行先として度々インドなどが紹介されますが、果たして「自分」はインドにいるのでしょうか。インドに旅行するだけで見つかる、そんなに簡単でちっぽけなものなのでしょうか。

 ある日突然この世界に生まれた私は人生という名の「『自分』を探すだけの一方的なかくれんぼ」を始めることになりました。しかしそもそも「自分」の実態が全くわかりません。もちろんどこに隠れているかもわかりません。とある場所に隠れているのか、他の誰かが隠し持っているのか、概念としてなにかに内在しているのか、何もわかりません。

 何もわからない私は色々なことを試みました。自発的なものもあれば、もちろん他人に手伝ってもらうこともあります。幸いいろいろな場所に行く経験もできましたし、本当にたくさんの人と関わりを持つこともありました。しかし、10年経っても見つかりません。

 そのまま時は経ち、中学三年生になって私は気づきました。「自分」は見つけるものじゃないのだと。創るものなのだと。行った場所、出会った人、経験したことなど本当に様々なことから材料を集めて、少しずつ創っていくものなのだと。

 そこから今までの経験などから「自分」を創り始めました。小さなピースを集めながら少しずつ少しずつ「自分」を完成させるために生き始めました。その中でも高校生活の中で得られたものはとてつもなく多いです。


 「自分」を悟るのは死ぬ直前だと私に言った人がちょうど先日いました。しかし、自分がいつ死ぬかなんてわかりません。そのために毎日の積み重ねを怠らずに、今日という1日を大事に生きています。

 そして今日、高校生活最後の夏休みの、最後の平日を迎えました。そんな中、この劇では今の現時点での「自分」を存分に出せるよう頑張りたいと思います。出会えた友人、仲間、先生方、そして育ててくれた両親に感謝をして今回のブログは終わらさせていただきます。書いてる時間が深夜なこともあり、中身のないものになってしまって申し訳ございません。


 最後に自分の座右の銘でもある、紀元前一世紀の古代ローマの詩人ホラティウスの詩の一節で締めたいと思います。

〜"Carpe diem quam minimum credula postero."〜


 最後まで読んでいただきありがとうございました。

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